ヤミ金と法律
現在、闇金融は深刻な社会問題になっています。そのような闇金融問題に歯止めをかけるため、15年7月25日にヤミ金融対策法(貸金業規制法及び出資法の一部改正法)が成立しました。
ヤミ金融対策の主な内容は、以下のとおりです。
1.貸金業登録制度の強化
貸金業登録の審査について、申請者等の本人確認を義務化するとともに、人的要件(例えば、暴力団員の排除)の強化や財産的要件の追加、各営業店への主任者の設置の義務付けにより、さらに厳格な登録審査を行うこととなりました。
2.罰則の大幅な引上げ
高金利貸付け、無登録営業に関する罰則が大幅に引き上げられました。
また、高金利を要求する行為そのものも罰則の対象となりました。
高金利違反 ⇒ 5年以下の懲役、1千万円(法人の場合3千万円)以下の罰金(※)
無登録営業 ⇒ 5年以下の懲役、1千万円(法人の場合1億円)以下の罰金
(※)出資法で定める貸金業者の上限金利(年20.0%)を超える利息の貸付契約を行った場合
3.違法な広告、勧誘行為の規制
無登録業者の広告、勧誘行為について罰則が適用されるようになりました。
罰則の新設 ⇒ 百万円以下の罰金
4.違法な取立行為の規制強化
正当な理由のない夜間の取立て、勤務先等居宅以外への電話や訪問、第三者への弁済の要求など行ってはならない取立行為の具体例について、法律で明確にされるとともに、罰則も引き上げられました(無登録業者の行為も罰則の対象となります)。
罰則の引上げ ⇒ 2年以下の懲役、3百万円以下の罰金
(注)罰則の引上げについては、9月1日に施行
5.20%を超える利息での貸付契約の無効化
登録業者・無登録業者を問わず20%以上を超える利息での貸付契約を行った場合には、当該契約は無効であり、利息については一切支払う必要がありません。
※平成22年6月18日に施行された改正貸金業法により、利息制限法を上まわる金利での貸付は禁じられています。